治療方針

■ 当院の専門性及び治療方針
当外来では、低身長のお子さまをお持ちで、お悩みのお父さま、お母さまの相談にのると同時に、治療可能であるかどうか診察、検査し、診断を行います。
もし治療可能と診断されれば、治療を行います。

先駆的役割をはたす
大阪大学医学部小児科在職中の約35年前より、西日本の小児科で初めて、成長ホルモン治療を始めました。

豊富な経験
現在(平成29年2月)までに、916名の患者さんを治療しました。

患者さん本位のきめ細かな治療
豊富な経験と最新の知識をもって最良の治療を行ないます。
患者さんにとって通院しやすい曜日・時間帯とし、初診の患者さんには30分以上の時間を取って丁寧にお話します。

成長科学協会地区委員
大阪地区で、成長ホルモン治療を行う医師の指導・相談を行うよう、専門機関(成長科学協会)から依頼されています。
 

■ 成長ホルモンによる治療
では、成長ホルモンによる治療についてお話しましょう。 「治療が可能な低身長症」と診断されたら、成長ホルモンによる治療を行います。
これは、小さい時期は1日おきに、大きくなればほとんど毎夜、寝る前にお父様かお母様が成長ホルモンをお尻の皮下に注射します。それは「寝る子は育つ」と言われるように、寝ている間に成長ホルモンにより背が伸びるからです。
素人の方は注射と言うと大変だと思われますが、最初にていねいに教えてもらえば、私の経験では100% のお母様が上手に出来るようになります。法律的にも、成長ホルモンと糖尿病の注射にかぎって、親権者の子供へのこの医療行為は認められています。お母様が月1回、医療機関を受診し主治医に経過を報告し、1ヶ月分の注射液と注射器を持って帰ります。
さて、費用ですが、専門医療機関できっちり検査をし、正しい診断を受ければ、費用は公的補助によってまかなわれ、自己負担額は平成15年から一部負担となりました。(所得によって異なりますが、1ヶ月約5,750円は必要になりました)
以上の治療は医師ならだれでも出来るように見えますが、性ホルモン治療もいずれ必要となるのでやはりその道の専門家にみていただくのが良いでしょう。
 

■ 身長を伸ばすには?

●睡眠・運動について
睡眠は熟睡することが大切
成長ホルモンがいちばん出るのは、熟睡しているときです。日々熟睡できることは背を伸ばすうえでも生活の基本といえます。正常な人の成長ホルモンは夜間に3〜5回大きな波になって分泌されます。受験勉強などで睡眠時間は少なくなりますが、「熟睡すること」が大切です。また、お腹が一杯になると、成長ホルモン分泌が抑えられるので夜食はとらず、空腹のまま寝た方が身長の伸びに良いでしょう。

適度な運動はいいが激しい運動は問題
運動をすると成長ホルモンが出ます。適度な運動は食欲を増進し、熟睡をもたらして成長にいいです。しかし、激しい運動をやりすぎると、背が伸びにくくなる可能性があります。小学校低学年から練習がハードなスポーツをすると早くから筋肉がつき、骨の成長を早めるので、早くに伸び止まり、結果として低身長になる可能性もあるということになります。

規則正しい生活が大切
規則正しい生活をしたら、目に見えて背が伸びるということではありませんが、規則正しい生活をすれば、食事もきちんととれ、睡眠も十分とれるしストレスも出にくく、適度なスポーツをする時間もとれます。健康をつくる生活としては規則正しい日常生活はすべての基本です。

●食事について
身長を伸ばすためには、いろんな食品をバランスよく食べることが大切です。
お料理を作る時は、食品を6つに分けて、それぞれのバランスを考える習慣をつけましょう。

特に大切なのがタンパク質です
戦後、日本人の平均身長は、タンパク質の摂取の増加に比例して伸びてきました。

タンパク質が豊富な食品
タンパク質とカルシウムが不足すると、身長の伸びが悪くなります。バナナは貴重なマグネシウム補給源。枝豆は、子どものおやつにも最適です。ピザトーストなどチーズが好きな子どもは身長がよく伸びます。ピーナツは、タンパク質・ミネラルが豊富です。ただし、食べ過ぎは良くありません。また、ゆで卵は、非常に優れたタンパク源です。